学生時代、日曜の深夜には「ぬかるみの世界」を聞いていた。
当時、長崎に居たが、とても電波の入りにくい土地だった。長崎の放送はちゃんと受信できるが、ラジオ大阪の電波は韓国放送の強烈な電波によって途切れ途切れになりながら半分以上を占める雑音の中でやっと聞き取れるという感じだった。
ゲストもほとんど無く、音楽もあまりかからず、ひたすら2人が会話をしている、という放送に何か惹かれるものがあり、受験勉強中もラジオのダイヤルを一生懸命チューニングした。
10数年前に放送が終わり、それ以来ぬかるみについては時々思い出す程度だった。
今日、何となく「ぬかるみの世界」を検索してみると、インターネット放送として復活した「ぬかるみの世界」の最終回を聴けることが分かり、懐かしい感じで久し振りに「ぬかるみ」を聴いた。インターネットで復活し、月500円の有料放送になったこともかなり前に忘れていた。
約一ヶ月前に復活した「ぬかるみ」も終わったようだ。
最後には先生の一言で終わるような、終わらないような感じになったが、オフィシャルには終了した、と言えるだろう。
AMで放送されていた時から10数年経ち、当然それだけの年齢が上がり、環境も変わり、その中で昔と同じものを求めるのは正しくないかもしれない。しかし、当時のファンはやはりあの時と同じ何かを求めているのだと思う。通常は出演者と共にリスナーも年をとり、変化し続けるものだが、「ぬかるみ」は違うと思う。
最初から皆「おばん」だったのだ。だから変化する必要は無い。
月1000円なら大阪で録音し放送を続けることが出来る、ということで番組は終わったが、多分復活はしないと思う。先生も体調を崩したらしく、年齢も加わり、当時より弱弱しく感じた。「クククク」という笑いも数回聴けただけだった。当時感じた強烈な何かを感じることが出来なかった。
「ぬかるみ」は一度終わった。ネット放送としてもう一度終わった。もう一度終わりを経験する必要は無いと思う。しかし、またあの「ぬかるみ」を聴きたいのは確かだ。これからは是非、ゲリラ放送として復活して欲しい。気が向けば、都合がつけば、体調が良ければ予告も無しに放送する。既に半年、東京を離れているので、今も放送が続いているか分からないが、月一度のペースで愛川欽也がパックインミュージックを復活させていた。そういう放送でも良いと思う。やらない月があっても良いと思う。
久し振りに懐かしい先生の声を聞き、忘れかけていた「ぬかるみ」に触れた。
僕は長崎に居ながら「ぬかる民」だった。
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